2015年7月23日木曜日

加速する認識技術

「環境DNA」という耳慣れない言葉がNHKニュースに出ていた。バケツ一杯の水で、そこに住む魚の種類が分かるのだそうだ。

排泄物や体からの分離物のDNAを調べるそうで、そういうDNAを「環境DNA」と呼ぶ。
これまでは一種類ずつしか分析できなかったが、千葉県の研究グループがこのほど、一度に5000種類のデータベースと照合し最短2日で複数の魚の種類を解析する技術を開発。
海や川での生態系の研究を加速させる画期的な技術として注目されているという。
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個体を識別する技術の進化のニュースはこれだけではない。

先月のこと、NECが「物体指紋認識技術」というのを開発したニュースを読んだ。
(技術情報の公表は2014年11月)

ネジやジッパーなど、大量生産される部品のひとつひとつの個体情報(メーカー、生産日時や場所、といった詳細情報)を、各個体が持つ独自の「指紋」を読み取り、データベースに参照することで瞬時に解読する技術だ。
最近のスマホのカメラの高性能化のおかげで、スマホに専用アプリを入れ、スマホのカメラから画像を送り、データベースと照合でき、非常に手軽に使える技術だ。

防犯にも役立つという。たとえばバッタ物のブランド品バッグも、お店でバッグのジッパーをスマホカメラで撮影、ブランド品のデータベースに該当しない場合はバッタ物と判明する。
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汎用カメラの進化はさらにミクロ(そしてナノ)へと向かうだろうか。
向かえば、さらに何かが加速する…考えると胸が騒ぐ。

128項目の要望丸呑みが原因?:新国立競技場建設、白紙スタート

警鐘を鳴らす人がいなかったのだろうか…

今日7月23日(木)の東京新聞の取材記事によれば:

新国立競技場建設計画のスタートは2012年3月の有識者会議。
   ・有識者会議メンバーは利害関係者がほとんど。
   ・議論はほとんど「陳情合戦」
   ・下部組織の、建築家で構成するワーキンググループからは「規模的に不可能」との困惑。

結局すべての要望をうけ入れた計画が成立:
   ・規模:ロンドン五輪の3倍もある超巨大なスタジアム計画  

建設費巨大化は2年前からわかっていた:
   ・英女性建築家デザインだと工費3000億円になることを、文科省は2013年8月に把握。 
   ・その1か月後に東京五輪招致が決まった。
   ・「新国立競技場の斬新なデザイン」も招致目玉として、デザイン再検討はなかった。
   ・工費3000億円が公表されたのは五輪招致決定後の2013年10月。

首相の遅い決断:
   ・麻生太郎財務相が「国民負担が増える」と、首相に再三警告。 
   ・2015年6月24日、遠藤利明オリンピック大臣就任。この時も首相は見直し未決断。

原因は128項目要望丸呑みではないだろう。
原因は、税金を使う人たちの公僕意識の低さだ。