2010年9月19日日曜日

英数字を使った表現

VOAスペシャル・イングリッシュにはさまざまなテーマの記事がありますが、中でも楽しいのは語源辞典のようなWords and Their Stories のコーナーです。

なかなか解けない問題の解決にあたるとき:
「三人寄れば文殊の知恵」にあたるのは
two and two together, またはtwo heads are better than one. があります。
「答えはひとつ。議論の余地がない」のは、
There are no two ways about it.
「決心がぐらつく。決めかねる」のは、
be of two minds.

短い時間を表すのに:
in two shakes of a lamb's (cat's, dog's, etc.) tail:あっという間に

日本語でも同じ表現:
to kill two birds with one stone.:「一石二鳥」
Nine time out of ten:「十中八九」

「不正は不正」
Two wrongs don't make a right.
人もやっているからといって自分の悪が正当化されるわけではないということ。

「二人寄れば仲間、三人寄れば群集」
Two's company, three's a crowd.
彼女と二人でデートしたいのに、友人が付いてくるとき、友人に言ってあげる言葉。

人をほめたり、元気付けるとき:
give three cheers 万歳三唱する

混乱して、といった意味:
at sixes and sevens:「何も分からずに」
このフレーズは、マドンナのミュージカル映画@「エビータ」に出てきた歌「アルゼンチンよ泣かないで」の歌詞の中にも出てきたフレーズです。この歌詞にはもうひとつ数字を使った表現が出てきます。それは、次の表現です。
dress to the nines: 盛装して

無関心であるときの砕けた表現:「どっちでもいいよ」
Six of one, half a dozen the other

至福の幸福にあるときは:
on seventh heaven(第七天国:昇天の際、天国の層をのぼり、最後にたどり着き神に合える天国)
on cloud nine:至福の状態で。

オフィスで眠くなったときは:
catch forty winks 「うたた寝する」(forty winks うたた寝、仮眠、短時間の睡眠)◆40回の瞬きはうたた寝になるのですねぇ・・・

ぎりぎりの時間になったとき:
at the eleventh hour (=at the very last minute) 瀬戸際で、時間ぎりぎりで。

急に運がついてきたときは
lucky number comes up: 突然つきがまわってくる
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今回は、カラオケで意味不明のまま歌っていたマドンナの歌のフレーズが、意味明快となり、すっきりしました。(歌うのに夢中で意味は二の次でした・・・)

ラルフ・エリソン

ラルフ・エリソン(1914-1994)は、初めての著作「インビジブル・マン(見えない人)」(1952年刊行)で、いきなり全米図書賞に輝き、大作家の仲間入りをしためずらしい作家です。
この本は、日本の大学等のアメリカ人種問題関係では必ずといえるほど参照される有名な著作で、社会におけるアイデンティティを求めてさまよう黒人を描いています。
大きな議論を呼んだこの本の影響は白人・黒人双方に大きく、白人はそれまでの黒人についての考え方が変わり、また黒人は自分自身への見方が変わりました。
◆この本の冒頭のエリソンの言葉:
"I am an invisible man … I am a man of substance, flesh and bone, fiber and liquids – and I might even be said to possess a mind. I am invisible, understand, simply because people refuse to see me…When they approach me they see only my surroundings, themselves, or figments of their imagination – indeed, everything and anything except me.”
「私は人に見えない人間だ。…私は物質と肉と骨、繊維と液体でできた人間だし、私には心もある、と言えるだろう。私は人には見えない。分かっている。単に、人が私を見ることを拒んでいるからなのだ。私に近づくと、彼らは私の周囲の状況か、あるいは彼ら自身を見ているか、または彼らの心に浮かんだものを見ているだけなのだ。実に、あらゆるものを見ているのだが、私だけを見ていないのだ。」
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最近のVOAは彼を「今でも取り上げられる作家」として取り上げています。

1990年に黒人作家チャールズ・ジョンソンが全米図書賞を受賞した際に、先人として自分を導いてくれたエリソンに謝辞を述べました。授賞式に参加していたエリソンは次のような言葉を贈っています。
◆"You do not write out of your skin. You write out of your ideas and the quality of your mind."
肌の色からくる思いから作品を書くのではなく、君のアイデアや心模様から作品を書きたまえ」

発刊当時は、黒人作家による人種差別を描いた作品として取り上げられましたが、現在は、人種や文化の差を越え、社会から無視された人たちを描いた作品として、今も多くの読者を惹きつけているようです。

2010年9月10日金曜日

年をトルって、より幸せになること?

8月末のVOAのヘルス・レポートでは、ある大学が全米の18歳から85歳までの成人男女34万人に行ったおもしろい調査の結果を報じていました。

幸福感、悲しみ、不安、といった感情と、人の年代との関係をみようという試みでした。
20歳代半ばから後半にかけての年代が、最もネガティブな感情を訴え、
成人したばかりの年代と70歳代、80歳代が最もハッピーに感じる年代でした。

また、50歳代に突入すると、ネガティブな感情から劇的に解放されるようです。
回答結果の分布に男女差はほとんどなく、ただ、女性のほうが男性よりネガティブな感情を訴える割合が少し勝っていた、とのことです。

子育て中だったり、失業中だったり、独身でひとりぼっちだったりが大変なのも、50歳代まで。
その後には、くよくよしない人生が待っているようです。
年を重ねると、小さなことやいやなことをさして気に病まなくなり、物事に感謝する気持ちが増すせいなのでしょう、と分析した人は言っています。それに、年とともに世界の見え方も変わり、加齢とともに、脳内物質にも変化がある、とも。

85歳の人たちが、「18歳の時よりずっと幸せよ」と明るく述懐する・・・
見ていて、これからの不安が払拭される場面です。
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生きて生きて、そしてどんな人生の終わりを迎えるか分りませんが、
どんな形にせよ、私たちはその瞬間まで生を享受できる、そんな気がしてくるニュースでした。